2016年04月15日

裏方と雪かき仕事

ずっと以前に「裏方ほどおいしい仕事はない!」というタイトルに魅かれて買った本が、この業界に合っているのではないかと思って改めて読んでみた。
「おたくの製品はどんなところに使われていますか?」と聞かれることがあるが、自動車のドア裏側のパッキンなど大抵が見えないところに使われている。
気密、水密、吸音などの機能を発揮するためながら、ゴムタイヤほどには目立たない。まさに裏方のはたらきであるが利益の点からはおいしいかどうか・・・。
また、本の中では「雪かき仕事」という村上春樹の言葉にも触れているが、「雪かき仕事」はたとえば、朝早いうち誰かが、通勤通学する前に雪かきをしておく。誰かに指示されたり、報酬をもらうわけではないが大切な仕事。
当社でも、文字通り雪が降れば雪かきもするが、たとえばパッキンという製品を打ち抜くと穴の空いたシートがカスとして残る。
産廃業者に持って行ってもらうカスがひと月に8トン以上にもなるがこれを毎日整理して狭い倉庫に貯めたり、段ボールや包装材を片づけたり、また、始業前にプレス機などの油さしや点検をやっておくなど「雪かき仕事」が多い。
仕事は始業時間にはトップギアでありたいが、そのための裏方仕事は貴重であり、頭が下がる。
プロ野球の選手や俳優が輝くかげで、おおぜいの裏方が支えているように、社会全体は裏方のおかげさま。
ちなみにこの「裏方ほどおいしい仕事はない!」という本では、プロジェクトの事務局こそが全社を動かせますよ というのがテーマである。
 


2016年04月13日

アサ倉製品(Made by ASAKURA)の誇り と山本周五郎 箭竹(やだけ)

「会社案内」を作り直す時に、一言で想いが伝わるようなメッセージをつけようと思って、浮かんだのが、「メードイン アサ倉」と「誇り(Pride)」。
メードインジャパンには安心のイメージがあり、加工製造職人の誇りも訴求したかったのであるが、念のため英語の得意な友人に確認すると、made inの後には場所を表す語句がくるので、"made by"に直すべしという回答。
当社が提供する製品にこそこだわりを持ちたいということで出来上がったコーポレートメッセージは「PRIDE OF THE PRODUCTS MADE BY ASAKURA」と長たらしくなってしまった。
しかし、このメッセージを反映して、検査部門のミッションがすんなり 『顧客と約束した規格、公差から外れた製品は出荷しない、顧客に渡さない』 に決まる。

ここから先は私の趣味の世界であるが、山本周五郎の「日本婦道記」に「箭竹(やだけ)」という短編小説がある。
徳川4代将軍家綱が、弓を射ると
『矢はまるで光の糸を張ったように飛び、・・こころよい音をたてて的につき立った。・・・よく注意してみると「大願」という文字が彫りつけてあるのだった』
というところから始まり、その出所を調べろという将軍の申しつけを受けて、岡崎の水野けんもつ忠善が製作者「みよ」を見つけ出し「大願」の訳をただすという物語である。
武士の妻の忠義というのがテーマであるが、
『大願の二字はけんもつの目にこそ触れめとて彫り付け候ものに・・・おそらくはみよの一心を神明の加護せさせたまうところと存じそろ』
というくだりではつい目がうるんでくる。魂を込めて作るとはこういうことであろう。

誇りというと”誇示、誇大”というイメージがあるが、アサ倉の「PRIDE」はも少し静かで謙虚に深く製品に託す想いを表している。
この物語ほど大仰ではないものの、誠実にベストを尽くしてお客さまに満足していただけるよう惜しまない努力を継続していきたい。




 


2016年04月13日

毎朝のそうじ

少し前のことです。
ベテランの社員が定年を過ぎた後も、嘱託で働いてくれていましたが、辞意が固く、健康寿命などを考えると、いつまでも引き止める訳にもいきません。
退職する彼を含め全員で作業引継ぎ・分担の打ち合わせを何回も行いました。
通常業務については、これはAさん、あれはBさんというように決まりましたが、彼が誰に指示されるともなく毎日続けた掃除をどうするかに話題が移りました。
私も始業時間の30分前には着くように心掛けてはいますが、そのとき彼は既に工場の外を掃除していて道路の反対側まで丁寧に掃いています。
夕方の構内の床のモップかけも彼に頼っていましたので、さあどうしようか、当番制にするかなどと思っていたら、「始業の少し前に全員でやれば早く済むでしょ」という誰かの提案に全員が賛成したので、さっそく人数分の新しいチリトリとモップを買い足して、翌朝からワイワイと始めることになりました。
先輩社員の姿を長年見てきた後輩たちが、ヒョイと引き継ぐ光景こそ何よりも貴重でありがたいとおもいます。
貸借対照表には載りませんが、大事な財産です。
 




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