2016年11月03日

せっかちは親譲りか

私がアサ倉工業株式会社に入社した平成26年の2年前に、創業者の父は93歳で亡くなったので、”親父だったらどうするだろう”と思っても訊くことはできない。父は70歳ころからは怒ることも人に意見するようなこともなくなって穏やかだったが、若いころは短気でせっかちであった。
小学校低学年の頃だったろうか、家のすぐ向かい側に「熱田東映」という映画館があった。映画(というより時代劇)の好きな父に時々つれていってもらった。片岡知恵蔵とか市川歌右衛門などが出ていた映画全盛期のころである。”孝保行くぞ”と言われてあわてて追いかけていって、上映中の暗いなか、席を探して座る。私が今でも鮮明に覚えているのは、映画の途中でさっさと場外に出てしまったことだ。もともとストーリーがわかるような年齢でもなかったが、開演時間を無視して、場当たり的に入っては、”ここからは見た”と気づいた時にそくそくと席を立つ。この記憶が1度ならず、何回かあったような気がする。
上映時間前に窓口(またはインターネット)で希望の座席を決めて入る今のやり方から見ると、ずいぶんと慌ただしいが、見方を変えると、父はテレビ番組で、前篇、後篇とあると、後篇しか見なかったような記憶もあるのでそういう行動パターンの持主だったのだろうか。それが良い結果を生むこともあったと思うが、そばにいた母から「いつもハラハラドキドキの人生だった」と今でもこぼすことがあるので、早とちりで失敗することも少なからずあったに違いない。
スピード感を持って進めることは今の時代はより重要になっているが、結論をせっかちに急いで、まわりを振り回したり、早とちりしないよう気をつけよう。




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