2018年10月04日

最適な自動配車のプログラムと最近のAIについて

”AIが使えたら苦労しなかったのではないか・・・”
と思えるシステムを無理やり作ったことがあった。                                                                                                                    
30年ほど前、バブル絶頂期だったろうか、情報システム部門に所属していたとき、物流部から、荷物をどのトラックに最適に載せるかという「自動配車」のシステムを完成させるように言われた。                                                        
当時、荷受待ちのトラックが物流センターから溢れ、まわりの道路をぐるりと囲む中、運転手の待ち時間をなくし、一刻も早く、最適な荷配りをすることは喫緊の課題だった。
例えば、4トントラックの荷台に、浴槽ばかり積めば、重量を余して満杯になり、反対に重いタイルばかりを積めば空間を余して荷重が4トンになってしまう。
また、荷降ろしに応対するお客様からみれば、できるだけ1台のトラックでまとめて受け取りたいし、運転手は、できるだけ少ない店を回って荷降ろしを完了したい。
また、A店とB店は仲が悪いので、同じトラックに荷物を載せないでほしい・・・。     
といったわがままな条件も織り込んで「最適な自動配車」のプログラムを組まなければならなかった。
こういった問題を解決するのに「オペレーションズリサーチ」が役に立つかもしれないと高価な専門書を自腹で買って、穴の開くほど読んでみたものの、こういった泥臭い実務問題には向かなかった。                                                           
幸い「1㎥=0.38t」と容積を重量換算できたので、実重をX軸、容積重量をY軸とし、荷物1個1個を”(x、y)の位置ベクトル”で表わし、その合成モデル化、トラックに積む順序を小さい順や大きい順、その組み合わせ順で、コンピュータの中で何通りもシミュレーションさせて、条件を満たした中から、評点の高いもの(効率よく積んだものなど)を正解とすることで何とか形になった。
一緒に夜中まで付き合ってもらったチームメンバーの力添えあってこそだが、なにせ開発納期が短く、寝る間も惜しんだ体力勝負の中、80点の提案ができれば、あとは人間が補正することでその時は間に合わせた。一から作ることに比べれば圧倒的に早く配車ができ、運転手の待ち時間を何とか減らすことができた。
これを事務計算が得意な「COBOL」言語で組んだので、”良く作ったな”というのが今の感想である。
現在なら、ベテランの積荷(とヘタクソな積荷)のデータを学習させておけば、AIが素晴らしい解答を導き出したかもしれないし、今の運送業界ではいろいろな実用化がされていよう。さらに、帰り便の効率まで考え、ネットワークやクラウドも駆使しながら、複数の会社にまたがった最適な「自動配車」も整備されているのではないかと想像する次第です。
 
蛇足ながら、正月休みも返上してテストしていた頃、物流部の責任者がフラッと来て、どんな様子か尋ねたときに、私は自信無げにつぶやいたらしく、後々になって、
「お前、あの時ダメかもしれん・・と言っただろう」と諌めた。
言われたときの彼の気持ちを考えると、技術屋は最後の最後の結論が確定するまで、ネガティブに弱音を吐くことは厳に慎まねばならないと今もって思い返すのであります・・・。
 




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