2015年12月21日

東芝の粉飾決算に思うこと

東芝の社長3代にわたる粉飾決算には、証券取引等監視委員会から73.7億円の課徴金が勧告され、株主から損害賠償の提訴もされた。
人間の性(さが)としての弱さ、醜さに、コンプライアンス体制や秩序の力が及ばなかったという残念な話だが、トップであればあるほど、負のコンプライアンスに対するリスクは極めて大きくなるという典型的な事例でもある。
地位、財産、学歴など何の不足もないであろう上場会社のトップが評価を気にして、強権を発動するのは、一般人に比べてより罪が重い。
14年ほど前に会計ビッグバンといって「時価会計」に舵を切ったことで決算数値が大きく影響された時にも経営トップは十分にその変化を理解・消化したはずである・・・。
等身大の誠実さ(インテグリティ)こそが「真実性の原則」に代表される企業会計の神髄なので、経理や監査、内部統制などの担当当事者の心情は察するに余りある。
これに関連して、『ほめられたいことを動機とする欲望は厳に慎まなければならない』という教訓を紹介したい。
ヒルティの「眠られぬ夜のために」では”相手からの称賛をあきらめ、自分がよくなしうる以上のことをするな”と警告している。(下記参照)




 

******** 「眠られぬ夜のために」第二部 (ヒルティ) ********

十二月二十一日
人間はときおり、自分にできること以上に、あまりに多くのことをしようとし、しかもそれに対して多くの感謝をも求めたがる。この後者については、エレミヤ書の中のよい言葉(十七の五)がそれを禁じている。
ひとは自分にできることをしなければならないが、次には、他人の感謝をあきらめることができなくてはならぬ。でなければ、そういう行いも一種の享楽欲であろう。
人間は、相手が称賛を求めていると気づくやいなや、それを与えたくなくなり、かえって、そのような讃美に無関心な他の人に対しては、それを山のように与えたがるものである。
自分がよくなしうる以上のことをしようとせず、また、このような仕事の中に自分の幸福を求め、かつ、見出す人こそ、最も立派に世を渡るものである。

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